1.びわの葉療法とは  メニュー

びわの葉療法は、一見素朴な療法でありながら、長い歴史によって培われたビワの葉の薬効と温灸そして、指圧の動きを組み合わせた自然治癒力、生命力を高める自然療法です。誰でも安心して簡単に行うことのできる家庭療法でもあります。

 

2.びわの神秘、薬効

びわは、バラ科の植物で、アンズモモ、リンゴ、ナシ、サクラなどの仲間です。成長すると10メートルほどの高さにもなる常緑樹で、太い枝に濃緑色の葉が茂ります。葉の形は、長さが15~22センチ、幅が5~8センチの長だ円形で葉肉は厚く固く、表面は、ツルツルと光沢があり、裏面には淡褐色の細かい毛が生えています。 毎年11月~1月の寒い季節に花をつけ、果実が実り、梅雨の頃から夏にかけて熟す生命力旺盛な植物です。びわの葉の成分としては、ブドウ糖、蔗糖、果糖、マルトース、でんぷん、デキストリン、酒石酸クエン酸、りんご酸、アミグダリン、タンニン、サポニンなどがあり特にアミグダリン(ビタミンB17)が、びわの葉の薬効の中心となる成分とされています。

 

アミグダリンは、ドイツのリービッヒという化学者が1830年頃に発見した物質でビタミンB17と呼ばれています。その成分は、微量の青酸を含む糖質から成っているので「アミグダリン青酸配糖体」と呼ばれ一般的には、無条件で猛毒と言われる青酸ですが、びわの葉に含まれるアミグダリンは微量なうえ、糖が結合している配糖体で不活性物質です。さらに、体内に入ると青酸とベンツアルデヒドという物質を発生するものの体を保護する酵素(ローダネーゼ)の働きで安全無害な物質に変化、毒素として作用しないことが実証されています。

 

自然界には、人間が食用とする千二百種類以上の植物にアミグダリンが存在するといわれており、ウメ、アンズ、プルーン、モモ、サクランボ、リンゴ、セロリ、セリ、アーモンド、タケノコ、玄米、大豆、小豆、蕎麦、ゴマなどがあります。

 

びわの葉には、20ppm含まれていて、びわの種には、びわの葉の1200~1300倍のアミグダリンが含まれているのです。

 

アミグダリンが体内に入ると、ガン細胞の中に大量に含まれているベータ・グルコシターゼという特殊酵素によって加水分解され、青酸とベンツアルデヒドとが遊離します。

 

ガン細胞は、この二つの物質の相乗毒性により破壊されてしまいますが正常細胞にはローゼネーダという保護酵素があって両物質を無害な物質に変えてしまうために影響を受けません。

 

顕微鏡でみると、ガン細胞がまるで殺虫剤をかけられたハエのように死んでいくそうです。

 

また、アミグダリンが分解されてできる安息香酸は、「抗リウマチ」「殺菌」「鎮痛」に効果を発揮。

中でも鎮痛効果は絶大で、末期ガンの痛みを和らいだり、神経痛や捻挫の痛みなどにも効果的です。

 

(研究1)

1937年、大阪大学の安田寛之博士がびわの葉で動物実験を行い、その結果を学位論文

「血液の酸・塩基平衡より観たる枇杷葉療法」と発表。

この研究は、体重500gの家ウサギを使い、びわの生葉75gを金属製の円筒の中に入れて加熱し

そこからびわの葉の成分を含んだ蒸気を導き出し、体毛を短く切り刈った家ウサギの腹部に約9cmのところから吹き付けました。

これにより、家ウサギの濁った血液がわずか5分間で弱アルカリ性に浄化されたというものです。

さらに30日間施術したところ、骨組織もしっかりとし、体内臓器も健康になり、体重も増加しました。

 

 

(研究2)

大阪大学医学部の小沢凱夫教授の下で行った実例は、陰茎ガンの患者の背部、腹部、局所を1日3回1時間ずつびわの葉で治療したところ49週目でガン細胞は全滅し、健康な組織が蘇ってきました。

 

(研究3)

1950年、アメリカサンフランシスコの生化学者、アーネスト・クレブス博士は、

ガンになる人がほとんどいないフンザの人々が、アンズを常食していることをつきとめ

アンズの種からアミグダリンを抽出し結晶化して「レートリル」と名づけ、ガンの治療に活用。

この治療法は、「レートリル療法」として現在でも行われています。

 

アミグダリンの作用は、

「体の免疫力や抗病力を高める働きがあるので、普段から充分な量を摂取していれば予防できる」ことや

「体内にガン細胞がある場合は、正常な細胞には無害で、ガン細胞だけを破壊する」などと明らかにされています。

 

~びわの葉の4つの効果~

□抗ガン作用 □鎮痛作用 □殺菌作用 □血液浄化作用

 

3.びわの葉温灸療法の効果

びわの葉温灸療法を効果的に使うには、体の調子がよくなく元気のないときや

病気とまでいえない軽い症状のうちに使用して解消することです。

 

近頃は、ちょっとした下痢や便秘、関節が痛いなどでもすぐに薬や湿布薬に頼りますが、

頻繁に薬を使用することによって人間が、本来もっている自然治癒力が低下し、

病気にもかかりやすく、重い症状になった時に治りにくくなるのです。

 

びわの葉の薬効+温灸効果で自然治癒力を高める療法としてそれは、

「迅速・確実・万病に奏功」します。

 

びわの葉の薬効は、科学的にも

 

・白血球の活動を活発にし、免疫力を高める

・赤血球や血小板などの血液成分の働きが旺盛になる

・血液を弱アルカリ性にする

・グローミューを再生、強化する

 

等が確かめられています。

 

このグローミューというのは、動脈と静脈を結んでいる毛細血管のバイパスの役割をするもので

全身いたるところに存在します。このグローミューがしっかりしていれば、血行がよくなって体の隅々まで

酸素を送り、組織のガス交換を促進させ、新陳代謝を活発にさせるものです。

しかし、生活習慣やストレス、老化でこのグローミューが萎縮、消失するので

その点でもびわの葉温灸療法は、優れているわけです。

 

 

1.気・血・水の流れを整える(気力、元気、正気)

東洋医学では、気の流れ、血液の流れ、リンパ液や体液の流れがスムーズな状態を健康といい

これらの流れが滞ることが、病気の原因であると考えます。

温灸は、これらの流れをスムーズに整えます。

 

2.自律神経やホルモン系のアンバランスを整える

体内活動を活発にしてストレスに対する抵抗力を強め、抗病力を高めます。

 

3.病気に対する温熱効果・・・『病は冷えから』・・(石原結寛先生)

「病は冷えから」と言う言葉がありますが、「冷え」は病気の大きな要因です。

ストレス社会では、低体温の人が増えていますが、ガンは体温35℃台で増殖します。

42℃以上の熱で死滅しますから、体温が低い人はとにかく体を温めることが大切です。

 

水が「冷える」と「氷」になるように体も冷えると「硬く」なります。

 

心筋梗塞、脳梗塞、肝硬変、子宮筋腫、ガンなどは、硬くなったことによるものと言われています。

 

 

『びわの葉温灸療法の特徴』

 

1.だれにでも手軽にできる家庭療法

ツボを温灸するとは言え特別な知識や経験は必要ありません。

体の痛む箇所に当てればいいので誰にでもすぐに覚えられます。

ユーフォリアは、小学生でも取り扱い可能です。

 

2.熱くない・あとがつかない・気持ちが良い療法

極端に熱かったり、痛かったり苦痛を伴うと長続きしませんが、

びわの葉療法は、心地よい温かさで気持ちが良いと感じることは

体の中で生理的によいことがおこっている、よい方向にむかっているということです。

 

慢性的な症状の時には、毎日続けることが大切なので

気持ちよく続けられるということが、とても重要なポイントです。

 

3.どんな病気でも安心して行え、副作用のない自然療法

特別な自覚症状がないのに、病気になる下地がすでにできている「半健康」状態を東洋医学では「未病」と言い、ストレスの多い現代社会では、この「未病」状態にある人がいかに多くいることでしょう。

 

びわの葉温灸療法は、血液を浄化して血流をよくする働きがあります。

血液の浄化は、健康の基本ですから原因のはっきりしない症状のときにも全く心配なく行えます。

 

また、いつでもどこでも手軽に行え、他の療法と併用しても問題がなく

逆に相乗効果でより良い結果が期待できますし、自然療法なので副作用もありません。 

 

これらが、家庭療法の第一条件です。

 

但し、瞑眩反応という「体が良くなるときに起こる症状」は、現れることがあります。

これは、副作用ではありません。

瞑弦反応については、瞑弦反応の項をご覧下さい。

 

4.健康美と若さを保ち、健康維持させる健康法

人間は、老化を避けることはできません。 

しかし、健康であれば、年齢にあった健康を保つととに老化を少しでも遅らすことが可能です。

 

びわの葉温熱療法は、体全体の細胞を無理なく活性化させ、若返らせる健康法です。

 

5.対処療法であるとともに、病気を根本から治す全身療法

ある症状に対してびわの葉療法を行っていたら、他の症状も消えたり、治ったりします。

例えば、便秘がちの人に対して行ったら、冷え性が改善、良く眠れるようになったとか

関節炎の方に行ったら、胃腸不調も改善というふうにです。

 

これは、経穴をかいして経絡の流れを良くし、そのうえ血液循環を良くするからです。

 

血液の浄化を基礎として全身の新陳代謝が盛んになって、快食、快眠、快便が得られ

健康を取り戻す根本とも言うべき自然治癒力が養われるためです。

 

びわの葉温灸療法は、いろいろな症状を取り除いたり軽くする対処療法であるだけでなく 

全身の状態を整え病気を根本から癒す根治療法、全身療法なのです。

4.びわの歴史、びわの葉療法のいろいろ

びわの葉や果実の種子に優れた薬効があることは、

三千年前からインドでお釈迦様が説かれた仏教の教えとともに発達し、伝えられた伝統ある医学です。

 

お釈迦様の経典のひとつ「大般涅槃経」(だいはつねはんぎょう)の中にもびわの薬効のことが記されており

びわの葉を「無憂扇」(むゆうせん)、びわの木を「大薬王樹」(だいやくおうじゅ)と呼んでたたえていました。

 

「無憂扇」とは、どんな病の憂いも癒す扇のような葉の意味を持ち

「大薬王樹」は、何らかの薬効を持ついろいろな植物のなかで、特に優れている「薬の王様」のような木の意味があります。

 

インドだけでなく中国でもびわの葉の薬効が知られており、「枇杷葉」と呼ばれ、

精燥救肺湯(せいそうきゅうはいとう)、甘露飲(かんろいん)などの漢方薬にも配合されています。

 

中国の明の時代(1355~1544)の有名な薬草学の本「本草網目」(ほんぞうこうもく)には、

 

「肺熱を排降して化痰止咳し、胃熱を清降して止嘔し、煩喝を除く静粛肺胃の薬物」

 

(肺などの呼吸器の炎症や異常を鎮め、痰や咳を治したり、胃の炎症や異常を鎮めて吐き気や嘔吐を治し

胃腸の不快症状を取り除いたりする肺や胃によく効く薬)と記されております。

 

また、びわの名称は、その葉の形が楽器の「琵琶」に似ていることから名づけられたとされています。

 

日本には、仏教医学として千五百年前に伝わったといわれています。

 

各地でお寺が建立されるときには、必ずびわの木がお寺の周辺に植えられたと言われていて

当時のお坊さん達は、びわの葉を使った治療を檀家や地域の人々に行い

人々の魂を救うとともに体の病をも癒したと言われています。

 

天平2年(730年)には、聖武天皇のお妃である光明皇后が、貧しい病苦の人々を収容して医療を施す

「悲田院」(ひでんいん)と「施薬院」(せやくいん)を創設し、そこでもびわの葉治療を行っていました。

 

江戸時代になると「枇杷葉湯」という煎じ薬も出回り、各地でびわの葉を用いた民間療法が行われるようになりました。

 

やがて、煎じ薬以外に「直接皮膚に貼る」「葉を当ててマッサージする」「葉のエキスで温湿布する」

「お茶やびわ酒にして飲む」「入浴に使う」など種々の治療法が、さまざまな病気に使われる